SECTION 1 〜 26 完全網羅
▸ ▸ ▸ 未成年・成年被後見人・被保佐人・被補助人
判断能力が不十分な人を保護するため、4類型の制限行為能力者を設け、その者がした法律行為を取り消すことができるようにしています。同時に、相手方の不安定な立場も考慮した催告制度などのバランス装置が用意されています。
| 類型 | 判断能力 | 保護者 | 主な行為制限 |
|---|---|---|---|
| 未成年者 | 原則 不十分 | 親権者・未成年後見人 | 原則 法定代理人の同意必要 |
| 成年被後見人 | 事理弁識能力を欠く常況 | 成年後見人 | 日用品購入等以外は取消可 |
| 被保佐人 | 事理弁識能力 著しく不十分 | 保佐人 | 9条の重要行為に同意必要 |
| 被補助人 | 事理弁識能力 不十分 | 補助人 | 家裁が定めた行為に同意必要 |
9条の重要行為(借財・不動産売買・訴訟・贈与・相続承認放棄・新築改築増築・5年以上の賃貸借等)に保佐人の同意必要。同意なき行為は取消可。
家裁が個別に定めた特定の行為に補助人の同意必要。それ以外は本人が自由に行える。
▸ ▸ ▸ 心裡留保・虚偽表示・錯誤・詐欺・強迫
| 類型 | 効力(原則) | 第三者保護 |
|---|---|---|
| 心裡留保 | 有効(相手方善意無過失なら) | 善意の第三者に対抗不可 |
| 虚偽表示 | 無効 | 善意の第三者に対抗不可 |
| 錯誤 | 取消可 | 善意無過失の第三者に対抗不可 |
| 詐欺 | 取消可 | 善意無過失の第三者に対抗不可 |
| 強迫 | 取消可 | 善意悪意問わず対抗できる |
表意者がウソとわかって意思表示することです。原則 有効ですが、相手方が悪意または善意有過失なら無効になります。なお、無効は善意の第三者には対抗不可。
当事者がお互いウソをつく仮装の意思表示。無効です。ただし善意の第三者には対抗できません。第三者は無過失や登記までは不要、善意であれば足ります。
法律行為の目的および取引上の社会通念に照らして重要なものであるとき、表意者は取り消すことができます。動機の錯誤は、その事情が表示されていないと取消不可。
騙された者は取消可。第三者詐欺は相手方が善意無過失のときのみ取消不可。第三者には善意無過失に対抗不可。
強迫された者は取消可。第三者強迫でも相手方の善意悪意を問わず取消可。第三者にも善意悪意問わず対抗できる。
▸ ▸ ▸ 顕名・自己契約双方代理・無権代理・表見代理
代理人自身が契約の相手方になることです。原則禁止。例外として、本人の許諾、または債務の履行のみ許容。
1人が売主買主双方の代理人になること。原則禁止。例外は本人双方の許諾と債務履行のみ。
| 権利 | 主な要件 | 効果 |
|---|---|---|
| 催告権 | 相手方の善悪不問 | 本人催告。期間内に確答なければ追認拒絶とみなす |
| 取消権 | 本人が追認するまで/相手方善意のみ | 無権代理行為を取消可 |
| 責任追及 | 相手方善意無過失/無権代理人が制限行為能力者でない | 履行 or 損害賠償 |
| 表見代理主張 | 相手方善意無過失/表見代理3類型 | 本人に効果帰属 |
▸ ▸ ▸ 取得時効・消滅時効・条件期限の効力
| 占有開始時の状態 | 所有の意思で平穏公然占有 | 期間 |
|---|---|---|
| 善意無過失 | ○ | 10年 |
| 悪意 or 善意有過失 | ○ | 20年 |
時効期間が一時的にストップ。事由:裁判上の請求・支払督促・催告等。催告は6ヶ月の猶予。
時効期間がリセットされて再スタート。事由:確定判決・承認等。承認は債務者からの一部弁済等が典型。
| 区分 | 意味 |
|---|---|
| 停止条件 | 条件成就で効力が生じる(合格すれば別荘贈与等) |
| 解除条件 | 条件成就で効力が消滅する |
| 確定期限 | 到来時期確定(○年○月○日) |
| 不確定期限 | 到来時期不確定(父が死亡したとき) |
▸ ▸ ▸ 隣地使用・囲繞地通行・竹木の枝根
他の土地に囲まれて公道に通じない袋地の所有者は、公道に至るために他の土地(囲繞地)を通行できます。通行場所・方法は通行者のために必要かつ他人の損害が最も少ないものを選ぶ必要があります。
電気・ガス・水道等の継続的給付を受けるため、必要な範囲で他人の土地に設備を設置でき、または他人の設備を使用できます。事前通知が必要。
越境した枝は切除を催告。期間内に切らないとき、または所有者不明・急迫時は自分で切除できる。
越境した根は催告なしに自分で切取り可。簡明なルール。
▸ ▸ ▸ 持分・管理行為・分割請求
共有者一人一人の所有権の割合です。出資額等に応じて決まり、不明なら平等と推定。各共有者は持分に応じて管理費・修繕費等を負担します。
| 行為 | 要件 | 例 |
|---|---|---|
| 保存行為 | 単独で可能 | 修繕・第三者への妨害排除請求 |
| 管理行為 | 持分価格の過半数 | 賃貸借契約の解除、軽微な変更(短期賃貸借の設定、3年以下の賃貸借) |
| 変更行為 | 全員の同意 | 増改築・農地を宅地化等 |
各共有者は共有物の全部について、持分に応じた使用ができます。実際の使用は他の共有者と協議して決定。共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除いて、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負います。
▸ ▸ ▸ 登記の対抗力・第三者の範囲
| 原因 | 「前」の第三者 | 「後」の第三者 |
|---|---|---|
| 取消(錯誤) | 善意無過失第三者には対抗不可 | 対抗関係(先登記勝ち) |
| 取消(詐欺) | 善意無過失第三者には対抗不可 | 対抗関係 |
| 取消(強迫) | 第三者に対抗可 | 対抗関係 |
| 時効 | 当事者の関係 | 対抗関係 |
| 解除 | 登記を備えた第三者には対抗不可 | 対抗関係 |
▸ ▸ ▸ 成立・効力・優先弁済
▸ ▸ ▸ 第三取得者・法定地上権・一括競売
第三取得者が、抵当権者の請求に応じて代価を弁済すれば、抵当権は消滅する。
第三取得者が、抵当権者に金額を提示し承諾を得て弁済すれば消滅。主たる債務者・保証人は使えない。差押え前に請求必要。
更地に抵当権を設定後、その土地に建物が築造された場合、法定地上権は成立しません。抵当権実行で建物は取壊しを迫られかねないため、抵当権者は土地と建物を一括して競売できます(義務ではなく任意)。
▸ ▸ ▸ 第三者弁済・相殺の要件と禁止
本来の給付に代えて他の給付を行うこと。代物弁済契約は諾成契約(合意のみで成立、ただし所有権移転は給付完了時)。
債権者が受領拒絶・受領不能・確知困難なときに、法務局へ供託することで債務消滅。
受領権者でない者へ弁済しても、原則無効。ただし、取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者(受取証書の持参人等)への弁済は、善意無過失のときに限り有効です。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 対立債権 | 当事者間で同種の債権を有する |
| 弁済期 | 自働債権は弁済期到来必須/受働債権は期限の利益放棄で可 |
| 相殺禁止 | 悪意の不法行為・人の生命身体侵害による損害賠償債権を受働債権とする相殺は不可 |
| 差押え後 | 差押後に取得した債権による相殺は差押債権者に対抗不可 |
▸ ▸ ▸ 対抗要件・譲渡制限特約
債権は不動産と同様、売買の対象となり第三者に譲渡できます。将来債権の譲渡も可能。譲渡には債務者の承諾は不要です。
| 対抗対象 | 必要な手続 |
|---|---|
| 債務者への対抗 | 譲渡人から債務者への通知、または債務者の承諾 |
| 第三者への対抗 | 確定日付ある証書による通知または承諾 |
▸ ▸ ▸ 履行遅滞・履行不能・解除
履行期に履行しないこと。確定期限あり:期限到来時/不確定期限:期限到来後の請求 or 知った時(早い方)/期限なし:請求時。
履行が不可能になったこと。事由発生時にさかのぼり判断。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 催告解除 | 相当期間定めた催告/期間内に履行なく、軽微でないとき解除可 |
| 無催告解除 | 履行不能、債務者明確な履行拒絶、定期行為、催告無意味の場合 |
| 解除できない場合 | 債務不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるとき |
建物の売買契約後、引渡し前に建物が天災で滅失した場合、買主は代金支払いを拒むことができます(履行拒絶)。売主・買主双方の責めに帰さない場合の処理ルールです。
▸ ▸ ▸ 絶対効・相対効・求償権
| 事由 | 効力 | 影響 |
|---|---|---|
| 弁済・代物弁済・供託 | 絶対効 | 他の連帯債務者の債務も消滅 |
| 相殺 | 絶対効 | 同上 |
| 更改 | 絶対効 | 同上 |
| 混同 | 絶対効 | 弁済したものとみなす |
| 請求・承認・時効完成 | 相対効 | 当該債務者のみに影響 |
| 免除・時効更新 | 相対効 | 当該債務者のみ |
連帯債務者の1人が弁済して共同の免責を得たときは、その者は他の連帯債務者に対し、各自の負担部分に応じた額を求償できます。自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず請求可。
▸ ▸ ▸ 付従性・補充性・連帯保証
主たる債務がなければ保証債務もなし、消滅も連動。主債務の時効完成猶予・更新は保証人にも及ぶが、保証人に生じた事由は原則 主債務に及ばない(川の流れ)。
保証人は2番手。催告の抗弁権(まず主債務者に請求しろ)と検索の抗弁権(主債務者に資力あり、執行容易)を行使できる。
| 項目 | 一般保証 | 連帯保証 |
|---|---|---|
| 補充性(催告/検索) | あり | なし |
| 分別の利益(共同保証) | あり(頭数で按分) | なし(全額負う) |
| 付従性 | あり | あり |
▸ ▸ ▸ 担保責任・契約不適合・手付
| 不適合 | 買主の手段 |
|---|---|
| 種類・品質・数量・権利 | 追完請求/代金減額請求/損害賠償/契約解除 |
▸ ▸ ▸ 完成義務・報酬・契約不適合
仕事が契約の内容に適合しない場合、注文者は追完請求・報酬減額請求・損害賠償・契約解除ができます。売買の規定が準用されます。
▸ ▸ ▸ 善管注意義務・報酬・終了事由
委任=委任者が法律行為を受任者に委託し、受任者がこれを承諾する契約。司法書士への登記委託、弁護士への訴訟依頼が典型。法律行為以外の事務処理(不動産管理等)は準委任で同じルール。
| 類型 | 事由 |
|---|---|
| 解除 | 各当事者がいつでも解除可(不利な時の解除は損害賠償) |
| 委任者の事情 | 死亡/破産 |
| 受任者の事情 | 死亡/破産/後見開始 |
▸ ▸ ▸ 一般・使用者責任・共同不法行為
| 区分 | 期間 |
|---|---|
| 損害および加害者を知った時から | 3年(人の生命・身体侵害は5年) |
| 不法行為の時から | 20年 |
数人共同で他人に損害を与えたとき、各自が連帯して損害賠償。被害者は加害者全員に全額請求可。
被用者が事業の執行につき他人に損害を与えたとき、使用者も損害賠償責任。事業の執行は外形標準・客観的に判断。使用者は被用者に求償可(信義則上相当な限度)。
▸ ▸ ▸ 相続人・相続分・代襲相続
| 同時相続人 | 配偶者 | その他 |
|---|---|---|
| 配偶者と子 | 1/2 | 1/2(子は平等) |
| 配偶者と直系尊属 | 2/3 | 1/3 |
| 配偶者と兄弟姉妹 | 3/4 | 1/4 |
被相続人の死亡以前に相続人となるべき子・兄弟姉妹が死亡、または相続欠格・廃除に該当して相続権を失った場合、代わりにその子(被相続人の孫・甥姪)が相続人となります。
▸ ▸ ▸ 遺産分割・遺言・遺留分
| 方式 | 要件 |
|---|---|
| 自筆証書遺言 | 全文・日付・氏名を自書+押印(財産目録はパソコン可) |
| 公正証書遺言 | 公証役場で公証人が作成。証人2人以上。検認不要 |
| 秘密証書遺言 | 遺言者署名押印・封印・公証人の認証 |
| 遺留分権利者 | 遺留分(全体) |
|---|---|
| 直系尊属のみ | 被相続人財産の1/3 |
| それ以外(配偶者・子) | 被相続人財産の1/2 |
▸ ▸ ▸ 存続期間・修繕・対抗力
賃借物の保存・維持に必要な費用(窓ガラス修繕等)。賃借人が支出した場合、直ちに償還請求可。
賃借物の価値を増加させる費用(壁紙張替え等)。賃貸借終了時に、価値増加が現存する限度で償還請求。
▸ ▸ ▸ 借地権の存続期間・更新
| 区分 | 期間 |
|---|---|
| 最初の存続期間 | 30年(より長期は自由) |
| 最初の更新 | 20年 |
| 2回目以降の更新 | 10年 |
借地権の存続期間が満了し、契約の更新がないとき、借地権者は借地権設定者に対して建物等を時価で買い取るべきことを請求できます。
▸ ▸ ▸ 借地条件変更・定期借地権
借地上の建物を譲渡する場合、土地賃借権も一緒に譲渡することになり、借地権設定者の承諾が必要です。承諾を得られないとき:
| 類型 | 存続期間 | 方式 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 一般定期借地権 | 50年以上 | 書面(電磁的記録可) | 更新なし/買取請求なし |
| 事業用定期借地権 | 10年以上50年未満 | 公正証書限定 | 事業用建物所有目的限定 |
| 建物譲渡特約付借地権 | 30年以上 | 書面でなくとも可 | 30年以上経過時、建物を借地権設定者に譲渡で借地権消滅 |
▸ ▸ ▸ 存続期間・解約・造作買取
賃貸人の同意を得て付加した造作(エアコン・畳等)について、契約終了時に時価で買い取るべきことを請求できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 方式 | 公正証書等の書面(電磁的記録可)/更新なし旨を記載 |
| 事前説明 | 賃貸人は契約前に更新がない旨を書面で説明。怠れば更新なし特約は無効 |
| 終了通知 | 1年以上の契約:期間満了の1年前から6ヶ月前までに終了通知 |
| 中途解約 | 居住用200㎡未満で転勤等やむを得ない事情あれば賃借人から解約申入れ可 |
▸ ▸ ▸ 専有共用・規約・集会決議
共用部分の持分は、原則として各区分所有者の専有部分の床面積の割合。規約で別段の定め可。共用部分の管理は次のように決議要件が異なります。
| 行為 | 決議要件 |
|---|---|
| 保存行為 | 各区分所有者が単独で可 |
| 管理行為(軽微変更含む) | 区分所有者・議決権の各過半数 |
| 重大変更 | 区分所有者・議決権の各3/4以上(規約で過半数まで緩和可) |
| 事項 | 定足数 / 決議割合 |
|---|---|
| 通常の決議 | 過半数 |
| 規約の設定・変更・廃止 | 区分所有者・議決権の各3/4以上 |
| 建替え決議 | 区分所有者・議決権の各4/5以上 |
| 大規模滅失復旧 | 区分所有者・議決権の各3/4以上 |
▸ ▸ ▸ 登記簿・申請・対抗力
| 区 | 記載事項 |
|---|---|
| 表題部 | 所在地・面積・地目・構造等の物理的事項 |
| 甲区 | 所有権の保存・移転・差押え等 |
| 乙区 | 抵当権・賃借権・地上権・配偶者居住権等 |
| 情報 | 例 |
|---|---|
| 申請情報 | 氏名・住所・不動産情報等 |
| 添付情報 | 登記原因証明情報・委任状・農地法許可証 等 |
| 登記識別情報 | 12桁の英数字パスワード(旧 権利証相当) |
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